大山ドラえもん君の制作費。その主要資金源は他番組同様にスポンサー収入であったが、本作の場合はそのスポンサー収入の「金の流れ」が通常のスポンサー収入とは異なっていた。

民放では、ほぼ全ての番組でスポンサーと局の間に広告代理店が介在して番組内容に注文をつけるほか、スポンサー料の10%〜20%を手数料として徴収する形をとっている藤子スタジオ(昭和63年にコンビ活動休止でF先生とF側スタッフは藤子プロを設立)とシンエイ動画は、増収のためにテレ朝との直接契約という画期的な手法を用いた。この場合、広告代理店から無条件に手数料を搾取されるリスクはなくなり、その分を制作費にまわすことができる。ドラえもんの放送局が日本テレビからテレビ朝日に移行したのは、テレ朝側がこの契約手法を藤スタとシンエイに提示したためである。

ただ、藤スタとシンエイでは広くスポンサーを取ることができないため、両社は旭通信社(旭通 現ADKスパークル)にスポンサーのとりまとめなどを委託した。これにより広告代理店が取る手数料やメディア企業に渡る金など、本来制作側(シンエイ)だけでは無理な部分に関わることができる。このため、電通もしくは博報堂が持つ時間枠を旭通が持つ事になった。